大阪・関西万博のなかでも、とくにユニークな存在感を放っているのが、シグネチャパビリオンの「Better Co-Being」です。名前を見ただけではどんなパビリオンかピンとこないかもしれませんが、実はこちら、アート好きはもちろん、ふだんアートに触れる機会がない人でも楽しめる仕掛けが満載の“屋外展示型”パビリオンなんです。
体験型の現代アートや、美しいインスタレーション、さらにお土産までもらえる満足感たっぷりの内容!この記事では、「Better Co-Being」の入場方法や展示の見どころ、実際に体験してわかった感想をまるごとご紹介します。
【入場方法・所要時間】シグネチャパビリオンのBetter Co-Beingは予約は必要?
「Better Co-Being(ベター・コー・ビーイング)」は、シグネチャーパビリオンのひとつ。完全予約制の体験型のパビリオンです。
体験時間はおよそ45分。大阪・関西万博の公式アプリから事前予約が必要で、当日枠があれば現地でもスマホから予約できます。ただし、予約時間に遅れると入れないことがあるので、5分前には到着しておきたいところです。
また、屋外の展示なので、雨や強風など悪天候のときは一部が中止になったり、展示そのものがクローズすることも。観覧中はスマートフォンや専用のデバイス(”ふしぎな石ころ”と呼ばれる「echorb(エコーブ)」というデバイスです)を操作するため、雨天時はレインコートが推奨されています。天気が怪しい日は、公式サイトやSNSで最新情報を確認してから行くのがおすすめです。
【展示内容】屋外展示のパビリオンで現代アートを体感できる

「アート」と聞くと少し身構えるかもしれませんが、静けさの森の中にある「Better Co-Being」は、まるで森の中をお散歩するような感覚で楽しめる、ちょっと不思議で心地よい気分になれる展示です。
建物というより、木々の中に高さ11mの細い柱と銀色の屋根(キャノピー)がふわっと浮かんでいるような空間。自然の風や光を感じながら、さまざまなアートを“体で感じる”体験ができるんです。
展示は大きく3つのエリアと、最後のまとめのエピローグから成り、WEBアプリと進行方向へ導いてくれたり、来場者の心拍と連動したりする、「ふしぎな石ころ」echorb(エコーブ)という専用デバイスを使って体験を深めます。
シークエンス1:人と人との共鳴
アーティストの塩田千春さんによる作品。赤い糸でつながれた机と椅子が丘に並んでいて、7つの言語で言葉が刻まれています。風にゆれる糸を見ながら、人と人のつながりについてふと考えさせられる場所です。
塩田千春さんは大阪生まれ、ベルリン在住のアーティスト。2024年に中之島美術館で「つながる私(アイ)」展を開催されていたので、行かれた方も多いのではないでしょうか。私も中之島美術館の展示でファンになり、万博で作品に再開できるのを楽しみにしていました。
シークエンス2:人と世界の共鳴
宮島達男さんの作品。スロープにスピーカーが並び、世界中の言語で「9、8、7…」とカウントダウンする声が聞こえてきます。echorbを使うと近づいたスピーカーから名前や物語、アプリ上にモチーフが表示され、他文化との共感を体感できます。
宮島達男さんといえば、「Death Clock」や「Mega Death」の作品がまず頭に浮かびます。また、直島の家プロジェクト「角屋」は、島民の方と一緒に制作され、島と一体になり、未来へと受け継がれている作品です。ぜひ、直島も訪問してみてください。
シークエンス3:人と未来の共鳴
プロデューサーの宮田裕章さんとEiMチームが手がけた作品。人工の霧が出る空間で、太陽の角度によっては本物の虹が現れることも!その先には、サンキャッチャーという光を反射するガラスが15,000個以上ぶら下がっていて、光のシャワーの中を歩くような感覚に包まれます。
ガイドの方のお話によると、サンキャッチャーは同じ並びがないんだとか。希望すれば、ガイドの方がキラキラと輝く空間の中で、写真を撮ってくれますよ!
エピローグ:すべてが一つになる場所
最後に、LEDの球体の前に参加者が集まります。エコーブで集めたデータ(参加者の心拍や、観覧中に選んだテーマなど)をもとに、リアルタイムで映像が生まれる演出。自分の気持ちや感覚が、作品の一部になるような体験ができます。
【体験レポ】当日予約をゲット!入場した感想をレポート

7月の平日、当日予約枠を運よくゲット!11:45-12:00の予約だったので、遅れないようにパビリオンへ向かいました。受付後、同じ予約枠の参加者が揃うと、まず観覧中に使用するアプリをスマートフォンに設定し、”ふしぎな石ころ” echorb(エコーブ)の説明を受けます。
準備ができたら、ガイドさんの引率で森の中へ。塩田さんの赤い糸が風に揺れる「言葉の丘」から、次の宮島さんのカウントダウンの声の作品へと続き、アート好きにはたまらない空間です。
そして虹とサンキャッチャーのゾーンでは、人工の雨が降ります。雨が上がった後には、水滴で一層キラキラと光が輝き、清々しい感動がありました。
最後のLED球体では、参加者が輪になって映像が浮かび上がる演出に参加。自分が選んだテーマや気持ちが作品に投影され、可視化される不思議な体験でした。
体験後にはちょっとしたお土産ももらえますよ!内容は、Better Co-Beingのロゴ入りエコバッグと、大塚製薬が提供する「wellness energy」。箱の中身は受け取った時のお楽しみにしておいてくださいね!
【まとめ】現代アート好きはもちろん、ふだんアートに興味がない人にもおすすめ!
「アートの展示って、難しそう」と思うかもしれませんが、「Better Co-Being」はアートというより”体験”です。森の中を歩きながら、光や音、風や霧を体いっぱいで感じることができます。
スマホや専用デバイスで、自分の感覚がアートに変わっていく不思議な仕掛けも面白く、子どもから大人まで誰でも楽しめます。
天気によって姿を変える展示空間も、屋外展示のパビリオンならではの魅力。晴れた日のキラキラ、曇った日のしっとり感、行くたびに新しい発見があるはずです。
現代アートが好きな人はもちろん、ちょっとした非日常を味わいたい方にもぴったりの空間。ぜひ、あなただけの“体験”をしに行ってみてくださいね!